院長ブログ:あなたに合ったお薬選びで、健やかな毎日を|骨粗しょう症の治療

いでた整形外科クリニックの院長ブログ 疾患・治療について
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「最近、背中が丸くなった」「転んで骨折した」…それは骨粗鬆症のサインかもしれません。骨粗鬆症は骨がもろくなる病気ですが、早期に適切な治療薬を選び、継続することで、骨折リスクを大幅に減らし、健康寿命を延ばせます。

骨粗鬆症治療薬の種類と働き

骨粗鬆症の治療薬は、主に以下の3タイプに分けられます。

  • 骨吸収を抑える薬: 骨が壊れるのを防ぎ、骨密度を維持・向上させます。
  • 骨の形成を促す薬: 新しい骨を作り、骨量と骨質を改善します。
  • 骨代謝を助ける薬: カルシウム吸収を助け、骨の健康をサポートします。

患者さんの状態や骨折リスク、ライフスタイルに合わせて、単独または組み合わせて使用されます。

骨吸収を抑えるお薬

  • ビスフォスフォネート製剤: 骨を壊す細胞の働きを抑え、骨密度を高め骨折を防ぐ代表的な薬です。飲み薬と注射・点滴タイプがあります。まれに顎骨壊死や非定型大腿骨骨折のリスクがあるため、歯科検診が重要です。
  • デノスマブ: 骨を壊す細胞の形成を強力に抑え、骨密度を増やし骨折を防ぎます。半年に1回の皮下注射です。顎骨壊死や低カルシウム血症のリスクがあり、中止時は骨密度の急激な低下(リバウンド)に注意が必要です。
  • 選択的エストロゲン受容体調整薬(SERMs): 女性ホルモンに似た働きで骨が溶けるのを抑えます。飲み薬で、足のけいれんやほてり、まれに静脈血栓塞栓症のリスクがあります。
  • カルシトニン製剤: 骨を壊す細胞の働きを抑え、骨粗鬆症による痛みを和らげます。主に注射薬ですが、骨密度増加効果は限定的です。

骨の形成を促すお薬

  • 副甲状腺ホルモン製剤(PTH製剤): 骨を作る細胞を活性化し、骨密度と骨質を改善します。骨折リスクが高い方に用いられ、注射薬で原則2年間使用後、他の薬へ切り替えます。高カルシウム血症やめまいなどの副作用があります。
  • 抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ): 骨の形成を促し、骨が溶けるのを抑える画期的な薬です。重症の骨粗鬆症に用いられ、月に1回の皮下注射です。原則1年間使用後、他の薬へ切り替えます。心血管イベントのリスクがあるため、注意が必要です。

  

骨代謝を助けるお薬

  • 活性型ビタミンD3製剤: カルシウム吸収を助け、骨の新陳代謝を整えます。高カルシウム血症や腎機能への影響に注意が必要です。
  • ビタミンK2製剤: カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨形成を促します。
  • カルシウム製剤: 骨の材料となる栄養素ですが、単独では骨密度増加効果は低く、他の薬と併用します。高カルシウム血症や腎結石のリスクがあります。

 あなたに合った治療薬の選び方

治療薬は、骨折リスク、骨密度、年齢、持病、ライフスタイル、副作用リスクなどを総合的に考慮し、一人ひとりに合わせた「オーダーメイド」で選択します。特に骨折リスクが高い場合は、まず骨形成を促す強力な薬から治療を始めることがあります。

治療を成功させるための大切なこと

骨粗鬆症治療は長期戦です。自己判断で薬をやめず、医師の指示通りに継続することが何よりも大切です。ビスフォスフォネート製剤やデノスマブ服用中は、歯科治療、特に抜歯の際に注意が必要です。治療開始前の歯科検診や定期的な口腔ケアを心がけましょう。

骨のことで気になることがあれば、どうぞお一人で悩まずにご相談ください。当クリニックでは、患者さん一人ひとりの状態を詳しく検査し、最適な治療計画を一緒に考え、健康な骨で安心して過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。

いでた整形外科クリニック 院長 出田聡志

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