院長ブログ:骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは?

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骨折を防ぎ、活動的な毎日を送るために

「骨」は、私たちの体を支える大切な土台です。しかし、この土台が気づかぬうちに脆くなってしまう病気、それが「骨粗鬆症」です。超高齢社会を迎えた日本では、多くの人がこの病気の潜在的なリスクを抱え、軽微な衝撃で骨折を引き起こす可能性があります。一度骨折すると、生活の質が著しく低下し、最悪の場合、寝たきりの原因にもなりかねません。

しかし、ご安心ください。骨粗鬆症は、正しい知識と適切な対策で予防し、進行を遅らせることが可能です。この記事では、骨粗鬆症の基本的な知識から、最新の診断・治療法、そして今日から実践できる予防のヒントまで、専門的な内容をわかりやすくお伝えします。健康で活動的な毎日を長く続けるために、一緒に骨の健康について学びましょう。

🦴 骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の密度が低下したり、骨の質が悪くなったりすることで、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。私たちの骨の強さは、主に骨密度が70%、骨の質が30%で決まると言われています。骨の質には、骨の微細な構造やコラーゲンの状態などが関係しています。

骨は常に生まれ変わっています。骨を壊す「破骨細胞」と、新しい骨を作る「骨芽細胞」が協力し合い、古い骨を新しい骨に入れ替える「骨のリモデリング」という作業を生涯繰り返しているのです。このバランスが崩れ、骨を壊すペースが作るペースを上回ると、骨がだんだんスカスカになっていきます。

骨粗鬆症には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、加齢や女性の閉経に伴って自然に起こる「原発性骨粗鬆症」。もう一つは、慢性腎臓病(CKD)などの病気や、ステロイドなどの薬の長期使用が原因で起こる「続発性骨粗鬆症」です。特に女性は、閉経後に骨を守る「エストロゲン」というホルモンが急激に減少するため、骨粗鬆症になりやすい傾向があります。

骨折が起きるまで自覚症状がほとんどないため、知らないうちに進行しているケースも少なくありません。

📊 日本そして世界の骨粗鬆症の現状

骨粗鬆症は世界中で大きな健康課題となっています。米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、そして日本という主要7カ国だけでも、2023年には5,100万人以上の患者さんがおり、2033年には5,800万人以上に増えると予測されています。診断されている患者さんの数も増加傾向にあります。

特に日本では、その影響が顕著です。推定される骨粗鬆症患者数は約1,590万人にも上り、そのうち約1,180万人が女性です。治療を受けている患者さんだけでも2023年には約138万人おり、その9割以上が女性です。

なぜ女性に多いのかというと、男性と比べて元々骨の量が少ないことに加え、閉経によるエストロゲンの減少が大きく影響しています。日本では、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が骨粗鬆症の可能性があるとされています。

骨粗鬆症が引き起こす「脆弱性骨折」は、高齢者が介護を必要とする原因の約12.5%を占め、特に女性では6人に1人が骨折・転倒をきっかけに要介護状態になっているというデータもあります。手首や背骨の骨折が多く見られます。さらに懸念されるのは、骨折しても約45%の人が適切な治療を受けていないという「治療ギャップ」や、医師との骨の健康に関する話し合いが不足しているという実態です。

💡 骨粗鬆症予防は「若いうちから」が肝心

骨の量は、10代にぐんと増え、20代でピークを迎えます。この「最大骨量」が高いほど、将来の骨粗鬆症のリスクを減らすことができます。若い頃からしっかり骨量を上げておくことが、後々の骨粗鬆症予防につながると考えられています。

実際に、中学・高校時代に運動部活動の経験があった女性は、高齢期に骨粗鬆症になるリスクが35%も低いという研究結果も出ています。これは、若い頃の運動習慣が、長い年月を経て健康効果を発揮している証拠と言えるでしょう。

まとめ

骨粗鬆症は、早期の対策と適切な治療で進行を抑え、活動的な毎日を守れる病気です。
次回は強い骨を作るための生活習慣、栄養、運動などについてお伝えします。
骨粗鬆症についての知識を深め、活動的な毎日を送りましょう!

いでた整形外科クリニック 院長 出田聡志

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